引き継ぎ
引き継ぎ書のフォーマット|Word・Excelの無料テンプレートと職種別の記入例
榎本 諒 ・ 更新 2026-10-14 ・ 約37分で読めます
異動が決まった。退職の日が決まった。来月から産休に入る。そこで「引き継ぎ書を作っておいて」と言われます。
白紙から作り始めると、何を書けばよいのかで時間を使います。引き継ぎ書に書くことは、どの職場でもほぼ同じです。型を先に用意して、埋めていくほうが早く終わります。
この記事では、引き継ぎ書のフォーマットをWordとExcelのテンプレートで配ります。あわせて、欄ごとに何を書くのか、職種と場面でどこを変えるのかを、記入例で説明します。
引き継ぎ書のテンプレート(Word・Excel/無料)
先にファイルを置きます。登録は要りません。社内での利用と書き換えは自由です。
どちらも中身は同じ9つの欄です。A4 1枚で済ませる簡易版も入っています。
| Excel版 | Word版 | |
|---|---|---|
| 形 | 欄ごとにシートが分かれている | 欄ごとにページが分かれている(A4横) |
| 記入例 | 「例」と付いた朱色のタブのシート | 後半の「記入例」のページ |
| 入っている工夫 | 頻度・優先度・状態をリストから選べる。見出しの行を固定。絞り込みができる。印刷は横1ページ幅 | 見出しのスタイルを設定済み。表の見出しの行が次のページにもくり返される |
| 簡易版 | 「簡易版_A4_1枚」のシート | 最後のページ |
記入例は、総務・経理の事務を異動で引き継ぐ場面を書いています。人の名前、日付、取引先はすべて架空です。

引き継ぎをいつから始めて、どの順番で進めるかは、引き継ぎ資料の作り方と進め方にまとめています。この記事は、型と項目と記入例に絞ります。
引き継ぎ書とは
引き継ぎ書は、担当が替わるときに、前任者が後任者へ渡す資料です。業務引継書、引き継ぎ資料、申し送り書とも呼ばれます。呼び方が違っても、書く中身は同じです。
口で説明するだけでは、後任者は全部を覚えきれません。メモを取っても、前任者が言い忘れたことはメモに残りません。紙やファイルにして渡すのは、言い忘れを前任者自身が見つけるためでもあります。
引き継ぎ書を作る目的
- 業務を止めない:担当が替わった翌日から、締め切りのある仕事が回る
- 伝え漏れをなくす:口頭では抜ける「年に1回の仕事」「やりかけの案件」を書き出す
- 後任者が早く1人で動ける:どこに何があり、誰に聞けばよいかが分かる
- その人にしか分からない仕事をなくす:書き出すと、1人で抱えていた業務が見えるようになる
- 会社に記録が残る:次に担当が替わるとき、前回の引き継ぎ書が下書きになる
- 事故を防ぐ:権限の停止、鍵や契約書の受け渡しが、確認の欄として残る
引き継ぎ書が必要になる場面
退職のときだけの資料ではありません。
- 退職、定年
- 部署の異動、転勤、昇進による担当替え
- 産休・育休、病気やけがによる休職
- 長めの休暇、出張などの一時的な不在
- プロジェクトの担当の交代、途中からの増員
- 組織の変更で、部署ごと業務が移るとき
- 業務を外部へ委託するとき、委託先を替えるとき
- 1人しかできない業務を、2人目ができるようにするとき
最後の1つは、担当が替わらなくても使えます。引き継ぎ書の型に沿って書き出すと、そのまま業務の棚卸しになります。
引き継ぎ書とマニュアル・手順書の違い
引き継ぎ書とマニュアルは、似ていますが別の資料です。

| 引き継ぎ書 | 業務マニュアル・手順書 | |
|---|---|---|
| 目的 | 担当の交代で業務を止めない | 誰がやっても同じ結果にする |
| 中身 | いまの状態、やりかけの案件、相手との約束、判断の背景 | 決まった流れ、作業の順番 |
| 作る時期 | 担当が替わると決まったとき | ふだんから。業務が決まったとき |
| 使う期間 | 引き継ぎの間と、そのあとの数か月 | 業務が続くかぎり |
| 深さ | その担当に特有のことを深く | 誰にでも当てはまることを広く |
| 読む人 | 後任者の1人(と上司) | その業務をする全員 |
この違いから、型の作り方が決まります。マニュアルや手順書に書いてあることは、引き継ぎ書に書き写しません。場所だけを書きます。引き継ぎ書に書くのは、マニュアルに載らない「いま」のことです。
手順書がまだない業務は、引き継ぎをきっかけに作っておくと、次の交代が楽になります。作り方は手順書の作り方にまとめています。
引き継ぎ書のフォーマットに入れる9つの欄
テンプレートの9つの欄を、順に説明します。それぞれ「なぜ要るのか」と「何を書くのか」を書きます。
1. 基本情報
誰から誰へ、いつまでに、何を引き継ぐのかです。表紙に当たります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 引き継ぐ業務 | 総務・経理の事務(本社) |
| 引き継ぐ理由 | 異動(4月1日付で営業部へ) |
| 前任者/後任者 | 総務部 山田 花子/総務部 佐藤 太郎 |
| 引き継ぎの期間 | 3月10日〜3月28日 |
| 前任者の最終日 | 3月31日 |
| 最終日のあとの連絡先 | 社内チャット。4月末まで。急ぎは内線 |
| 確認する上司 | 総務部長 鈴木 一郎 |
| 作成日/最後に直した日 | 3月7日/3月27日 |
| この資料の置き場所 | 共有フォルダ「総務 > 引き継ぎ」 |
抜けやすいのは「最終日のあとの連絡先」と「連絡してよい期間」です。後任者は、聞いてよいのかどうかで迷います。「4月末までは聞いてください」と書いてあれば、迷わずに聞けます。退職の場合は、連絡が取れなくなる前提で、ほかの欄を厚くします。
2. 業務の一覧
担当している業務を、1行に1つ、全部書きます。引き継ぎ書の中心です。ここから書き始めます。

列は9つです。
| 列 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| No | 通し番号 | 「3番の件ですが」と話せる |
| 業務の名前 | 「請求書の発行」のように動作が分かる名前 | 「請求関係」では何をするのか分からない |
| 頻度 | 毎日・毎週・毎月・四半期・毎年・随時 | 並べ替えると、年に1回の業務が見つかる |
| 時期・締め切り | 「毎月5営業日まで」「11月20日」 | 後任者は締め切りから逆算して動く |
| かかる時間 | 「3時間」「延べ3日」 | 1日の予定が立てられる |
| 優先度 | 高・中・低 | 忙しい日に、どれを先にやるかが分かる |
| 何のための業務か | 「給与計算の元になる」 | 目的が分かると、例外に自分で対応できる |
| 手順の場所 | 手順書の章、マニュアルのURL | 手順を引き継ぎ書に書き写さずに済む |
| 引き継ぎの状態 | まだ・説明した・一緒にやった・1人でできた | どこまで進んだかが、上司にも見える |
書き出すときは、毎日の業務だけで終わらせません。手帳やカレンダー、送信済みのメールを1年分さかのぼると、年に1回の業務が出てきます。忘れやすいのは、頼まれごとのように続けている仕事です。「毎月、部長へ数字を送る」「郵便受けを見る」のような仕事は、本人も業務だと思っていません。
優先度の「高」は、遅れると社外や給与に影響する業務に付けます。全部を「高」にすると、優先度の意味がなくなります。
3. 業務の詳細
一覧の1行では足りない業務を、1つずつ書く欄です。全部の業務について書く必要はありません。書くのは次の2つです。
- 手順書やマニュアルがない業務
- 手順書はあるが、判断が要る業務
この欄は、手順と判断を分けて書きます。

| 項目 | 記入例(経費精算の確認) |
|---|---|
| 何のための業務か | 立て替えた経費を、25日の給与と一緒に払うため |
| できあがるもの・渡す先 | 承認済みの経費一覧。経理の共有フォルダに保存し、経理担当へ知らせる |
| 頻度・締め切り | 毎月。確認は翌月10日まで |
| 手順 | 1.「申請中」を一覧にする 2. 領収書と見比べる 3. 承認か差し戻し 4. 一覧を出力して保存 |
| 判断の基準 | 領収書がない→差し戻す。1件3万円以上→事前申請の番号を見る |
| 例外・過去にあったこと | タクシー代は「理由」が必須。空欄で通して戻されたことがある |
| 自分で決めてよい範囲 | 金額と日付の誤りの差し戻しは自分で決めてよい。規程にない費目は部長へ相談 |
| 関係する人 | 経理の担当(一覧の受け取り)、総務部長(規程の判断) |
| 使う資料・システム | 経費システム、経費規程、一覧の保存先 |
手順は、やり方を見れば誰でも書けます。判断は、前任者にしか書けません。「なぜこの順番なのか」「どこまで自分で決めてよいのか」「前に何が起きたのか」は、前任者の頭の中にしかないからです。
後任者が困るのは、手順どおりに進まない日です。領収書がない。締め切りを過ぎた申請が来た。そのとき「判断の基準」の欄があれば、前任者と同じ判断ができます。引き継ぎ書の出来は、ここで決まります。
4. 年間と月間の予定
いつ、何が来るのかを時期の順に並べます。一覧にも頻度は書きますが、時期の順に並べた表が別にあると、後任者は「来月は何があるのか」をひと目で確かめられます。
| 時期 | やること | 締め切り | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 毎月 1営業日 | 稼働率をCSVで出して部長へ送る | 当日の午前中 | 期間は「先月」を選ぶ |
| 毎月 3営業日まで | 勤怠の締め | 3営業日の17:00 | 打刻漏れの人へ前日に声をかける |
| 4月 | 新入社員の入社手続き | 入社日の前日 | パソコンは2週間前に依頼 |
| 11月 | 年末調整の書類の回収 | 11月20日 | 提出が遅い人は昨年のメモを参照 |
毎月くり返すことを上に、年に1回のことを月の順に下に書きます。年に1回の業務は、前任者が次にやる前に担当が替わります。後任者は、だれもやって見せてくれないまま、はじめての本番を迎えます。「気をつけること」の列に、去年つまずいた所を書いておきます。
引き継ぎそのものの日程(いつ何を説明するか)は、この欄には書きません。別の表にします。日程の立て方は引き継ぎのスケジュールの組み方で説明しています。
5. 進行中の案件
終わっていない仕事を、全部書きます。マニュアルには絶対に載らない情報で、抜けたときの被害がいちばん大きい欄です。

列は、案件、相手、いまの状態、次にやること、期限、これまでの経緯・約束したこと、資料の場所です。
要は「次にやること」と「約束したこと」です。「対応中」「調整中」と書いても、後任者は動けません。次の1手が書いてあれば、その日から動けます。
相手に口頭で約束したことは、前任者しか知りません。「設置は休日にしてほしいと伝えてある」「値引きは今回かぎりと話してある」。書かずに去ると、後任者は相手から「前の担当の方はこう言っていました」と言われて、はじめて知ることになります。
6. 関係者と連絡先
名前と電話番号だけの名簿にしません。「どんなときに連絡するか」と「気をつけること」を書きます。
| 区分 | 部署・会社 | どんなときに連絡するか | 手段 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 社内 | 総務部長 | 規程にない判断、金額の大きい発注 | チャット | 午前は会議が多い |
| 社内 | 経理の担当 | 経費一覧を渡す、請求の金額の確認 | チャット | 月初は忙しい。質問はまとめて送る |
| 社外 | 社会保険労務士の事務所 | 入退社の手続き | メール | 書類は毎月20日までに送る約束 |
業務どうしがどうつながっているかも、この欄で分かります。勤怠を締めると経理の給与計算が始まる。請求書を出すと営業担当に問い合わせが来る。自分の業務の前と後ろに誰がいるのかを書いておくと、後任者は遅れたときに誰へ知らせればよいのかが分かります。関係する部署が多い業務は、表のほかに、流れを矢印でつないだ図を1枚足します。
社外の相手には、担当が替わることを前任者から伝えます。伝えたかどうかは「9 完了の確認」で確かめます。
7. 資料とアカウント
ファイル、フォルダ、システム、共有のメール、紙の書類、鍵や備品の置き場所です。開けなければ、後任者は何も始められません。
| 種類 | 名前 | 置き場所 | 権限の申請先 |
|---|---|---|---|
| フォルダ | 総務の共有フォルダ | 共有ドライブ > 総務 | 総務部長 |
| システム | 勤怠システム | ブックマーク「勤怠」 | 情報システムへ依頼 |
| 紙 | 契約書の原本 | 鍵つきキャビネット 2段目 | 鍵は総務部長が管理 |
IDとパスワードは、引き継ぎ書に書きません。引き継ぎ書は共有フォルダに置かれ、印刷され、メールに添付されます。そこにパスワードが書いてあると、読める人が増えます。書くのは「誰に頼めば自分のアカウントに権限が付くか」です。前任者のIDをそのまま使い続けると、誰が操作したのかが記録からたどれなくなります。後任者が新しくパスワードを決めるときは、IPA(情報処理推進機構)が勧める「できるだけ長く、複雑で、使い回さない」が目安になります(不正ログイン対策特集ページ)。
どうしても共有のIDを使うシステムがあるときは、パスワードは会社の決めた管理の方法で渡し、引き継ぎ書には「パスワードは総務部長から受け取る」とだけ書きます。
ファイルの場所は、フォルダの名前を上からたどって書きます。「共有ドライブ > 総務 > 規程」のように書けば、後任者は自分で開けます。「いつものフォルダ」では開けません。古い版が残っているなら、使わないフォルダの名前も書いておきます。
8. 困ったとき
これまでに起きたトラブル、よく聞かれる質問、その対処です。
| こんなとき | まずやること | 聞く相手 |
|---|---|---|
| 締め日に打刻漏れが残っている | 本人へ連絡。17:00までに直らなければ上長へ | 総務部長 |
| 請求書の金額が違うと連絡が来た | 営業担当へ知らせる。自分で金額を直さない | 営業担当・経理 |
| システムにログインできない | 依頼フォームから連絡する。人のIDを借りない | 情報システム |
書くことが思いつかないときは、この1年で「困った」「謝った」「急いだ」ことを3つ思い出します。それがこの欄の中身です。「やってはいけないこと」も書きます。上の例の「自分で金額を直さない」がそうです。
9. 完了の確認
引き継ぎが終わったことを、前任者・後任者・上司の3人で確かめる欄です。
- 業務の一覧にある業務を、すべて説明した/受けた
- 優先度が「高」の業務を、後任者が1人でやってみた
- 進行中の案件について、相手へ担当が替わることを伝えた
- 必要なシステムの権限が、後任者のアカウントに付いた
- 資料の置き場所を、後任者が自分で開けた
- 最終日のあとの連絡先と、連絡してよい期間を決めた
- 前任者の権限・共有アドレスの停止を依頼した
最後に3人の名前と日付を書きます。「引継ぎ完了報告書」を別の様式で出す会社は、この欄をそのまま報告書にできます。確認する項目を自分の職場に合わせて作り直すときは、チェックリストの作り方が参考になります。
職種別の記入例:どの欄に何を足すか
9つの欄は、どの職種でも変えません。変えるのは、列と、厚く書く所です。職種ごとに、足す項目と記入例を並べます。例はすべて架空の内容です。
事務(総務・一般事務)
業務の数が多く、1つひとつは小さいのが特徴です。「業務の一覧」が長くなります。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 物の置き場所 | 切手と収入印紙:総務の金庫。台帳に枚数を記入 |
| 社内からの頼まれごと | 会議室の予約の代行:役員の分だけ。秘書がいない日 |
| 締め切りの決まり | 郵便:午前の便は11:00、午後の便は16:00まで |
| 業者の連絡先 | 複合機の保守:電話番号は本体の側面に貼ってある |
頼まれごとは一覧から抜けやすい業務です。1週間、自分がやったことを書きとめると見つかります。
営業
「進行中の案件」と「関係者」が中心になります。取引先ごとに1行を使います。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 取引先の基本 | 取引先A(例):取引3年目。毎月の発注は月初 |
| 相手の担当と決める人 | 窓口は購買の担当の方。金額を決めるのは部長 |
| いまの商談の状態 | 来期の単価を交渉中。先方の回答待ち。期限は4月10日 |
| 約束したこと | 納期の短縮は今回かぎり、と口頭で伝えてある |
| 過去のトラブル | 昨年9月に納品の遅れ。以後、出荷日に電話を1本入れている |
| 相手の好み | 連絡はメールより電話。午後が出やすい |
| 後任の紹介 | 3月20日に2人で訪問する予定。日程は調整済み |
取引先の情報は顧客管理のシステムにも入っています。引き継ぎ書に書くのは、システムの項目に入らない「約束」「経緯」「相手の好み」です。
経理
締め切りと順番がはっきりしている職種です。「年間と月間の予定」を厚くします。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 月次の締めの日程 | 1営業日:売上の確定/3営業日:経費の締め/5営業日:試算表を部長へ |
| 支払いの決まり | 支払日は毎月25日。休日のときは前の営業日 |
| 例外の取引先 | 取引先B(例)だけ月末払い。契約書に記載 |
| 証ひょうの保管 | 請求書の原本:経理のキャビネット。年度ごとの箱 |
| 外部の相談先 | 税理士の事務所:月次の資料は10日までに送る |
| 承認の流れ | 10万円以上の支払いは部長の承認が先 |
会計ソフトや銀行の画面の操作は、引き継ぎ書に書き込まず、操作マニュアルにして場所を書きます。
管理職・マネージャー
業務より、人と判断を引き継ぎます。「業務の詳細」の判断の欄と、部下についての申し送りが中心です。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 部下ごとの状況 | 担当している業務、今期の目標、面談で話していること |
| 決裁の範囲 | 自分で決められる金額、上へ上げる基準 |
| 会議 | 出ている会議、役割、次回の日付 |
| 進めている判断 | 来期の人員の要望を人事へ提出済み。回答は4月 |
| 部署の課題 | 残業が特定の2人に偏っている。業務の分け直しを検討中 |
評価や健康に関わる内容は、読める人が限られる場所に分けて置きます。引き継ぎ書の本体には「部下ごとの申し送りは別紙。人事と後任者だけが開ける場所」と書きます。
エンジニア・IT
システムの構成と、動かし続けるための決まりを引き継ぎます。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 担当しているシステム | 名前、目的、使っている部署、止まると困る時間帯 |
| 構成の資料の場所 | 構成図、設計書、ソースコードの置き場所 |
| 定期の作業 | 証明書の更新:毎年6月。月末のバックアップの確認 |
| 障害のときの動き | 連絡の順番、過去の障害と直し方 |
| 契約と更新の時期 | ドメイン、サーバー、保守契約の更新月 |
| 権限 | 管理者の権限を持つ人の一覧と、付け替えの申請先 |
鍵やパスワードの類は引き継ぎ書に書かず、会社で決めた保管の場所と、権限の付け替えの手順を書きます。
店長・店舗スタッフ
1日の流れと、店に特有の決まりが中心です。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 開店と閉店の作業 | 開店前:レジの釣り銭の確認。閉店後:売上の報告を22:00までに本部へ |
| シフト | 作る日は毎月15日。希望の締め切りは10日 |
| 発注 | 発注の曜日、数の目安、業者の連絡先 |
| 鍵と金庫 | 鍵を持つ人、金庫の管理者 |
| スタッフの申し送り | 働ける曜日、任せている作業 |
| 常連のお客様への対応 | 予約の取り置きの決まり |
プロジェクトの担当
期間が決まっている仕事なので、「進行中の案件」をプロジェクトの中の作業に置き換えます。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 目的と期限 | 何を、いつまでに、どの状態にするか |
| 体制 | 関わる人と役割、決める人 |
| 進み具合 | 終わった作業、やっている作業、手を付けていない作業 |
| 決まったことの経緯 | なぜその案になったか。見送った案と理由 |
| 残っている課題と心配な点 | 納期に響きそうな作業、決まっていない仕様 |
| 会議と資料 | 定例の日時、議事録の場所 |
「見送った案と理由」を書いておくと、後任者が同じ検討をくり返さずに済みます。
業務委託・フリーランス
契約で決まった範囲を引き継ぎます。会社の外へ渡す、外から受け取る場面です。
| 足す項目 | 記入例 |
|---|---|
| 契約の範囲 | 引き受けている作業と、引き受けていない作業 |
| 納品物と期日 | 何を、どの形で、いつ渡すか |
| 預かっているもの | データ、貸与の機材、アカウント。返す日と消す日 |
| 連絡の窓口 | 発注側の担当、連絡の手段、返事の目安 |
| 秘密の扱い | 契約で決めた取り扱いの決まり |
預かったデータとアカウントは「返した」「消した」「止めた」までを完了の確認に入れます。
場面別の書き分け:退職・異動・産休・短期の不在
同じ型でも、場面によって厚く書く欄が変わります。

退職するとき
あとから聞けない前提で書きます。「業務の詳細」の判断の基準と、「困ったとき」の過去の例を厚くします。
時間は思っているより短くなります。期間の定めのない雇用では、退職の申し入れから2週間で雇用が終わると民法で決まっています(民法 第627条第1項)。実際の退職日は会社と話して決めますが、有給休暇を使うと、出社する日はさらに減ります。退職を決めたら、申し出より前に「業務の一覧」だけでも書き始めておくと安全です。
退職の場面で足す項目は次のとおりです。
- 返すもの:パソコン、社員証、鍵、名刺、貸与の携帯電話
- 止めるもの:アカウント、共有アドレスの登録、取引先のサイトの担当者登録
- 自分の名前で登録されているもの:業者の窓口、届け出の担当者、メーリングリストの管理者
- 私物のパソコンや個人のフォルダに置いたままの業務のファイル
会社として引き継ぎに決まりがあるかどうかは、自社の就業規則で確かめます。
異動するとき
社内にいるので、あとから聞けます。ただ、席は離れ、新しい仕事が始まります。聞ける期間と手段を「基本情報」に書きます。
厚くするのは「進行中の案件」と「関係者」です。やりかけの仕事は、異動の日までに終わらせるものと、後任者へ渡すものに分けます。渡すものだけを書きます。
異動では、前任者も新しい部署で引き継ぎを受ける側になります。同じテンプレートを新しい部署の前任者に渡して、埋めてもらうこともできます。
産休・育休に入るとき
戻ってくる前提の引き継ぎです。足す項目が3つあります。
- 休む期間と戻る予定:「基本情報」に書く
- 休んでいる間に来る年1回の業務:「年間と月間の予定」で、休む期間に当たる行に印を付ける
- 戻ったときに知りたいこと:後任者に、休んでいる間の変更を「困ったとき」の欄へ書き足してもらう
3つ目があると、同じファイルが戻るときの引き継ぎ書になります。行きと帰りで2回使える形です。
始める時期にも気をつけます。産前の休業は、出産予定日の6週間前(双子以上は14週間前)から請求できます(労働基準法 第65条)。体調によっては、予定より早く休みに入ることもあります。「業務の一覧」と「進行中の案件」は、休みに入る日が決まる前から書いておきます。
休暇・出張などの短い不在
数日から2週間ほどの不在なら、9つの欄は要りません。テンプレートの簡易版(A4 1枚)を使います。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 不在の期間 | 8月10日〜8月16日 |
| その間に必ずやること | 8月12日:取引先A(例)へ見積もりを送る。ファイルは共有フォルダ「見積」 |
| 来るかもしれない連絡 | 複合機の業者から設置日の連絡。候補は8月23日か24日と答える |
| 止めておいてよいこと | 備品の発注。戻ってからやる |
| 判断に迷ったら | 総務部長へ相談 |
| 急ぎの連絡先 | 携帯電話。出られるのは午前中 |
短い不在で役に立つのは「止めておいてよいこと」です。これが書いてあると、代わりの人は全部をやろうとせずに済みます。
担当の交代・外部への委託
担当している業務の一部だけを渡す場面です。渡す業務と残す業務の境目を、最初に書きます。「請求書の発行は渡す。入金の確認は残す」のように、一覧の中で分けます。境目があいまいだと、どちらもやらない仕事が出ます。
そのまま写せる型:1つの業務を書く8行
テンプレートを開く時間もないときは、次の8行をチャットやメールに写して、業務ごとに埋めます。簡易版と同じ中身です。
- 業務の名前:
- 何のための業務か:
- いつ・どのくらい(頻度、締め切り、かかる時間):
- 手順、または手順書の場所:
- 判断の基準・気をつけること:
- いま進行中のこと(状態、次にやること、期限):
- 関係する人(どんなときに誰へ):
- 資料・システムの場所と、権限の頼み先:
記入例です。
- 業務の名前:職員別の稼働率をCSVで出して部長へ送る
- 何のための業務か:月初の会議で、先月の稼働率を見るため
- いつ・どのくらい:毎月1営業日の午前中。10分
- 手順:操作マニュアルのURLを見ながら操作する。5ステップ
- 判断の基準:期間は「先月」、職種は「看護」。数字が0の職員がいたら、送る前に総務部長へ確認する
- いま進行中のこと:なし
- 関係する人:送り先は総務部長。数字の質問はダッシュボードの管理者へ
- 資料の場所:経営ダッシュボード(ブックマーク)。権限は総務部長へ依頼
4行目の「手順」が1行で済んでいるのは、手順を別のマニュアルに出しているからです。次の章で、その作り方を説明します。
手順は引き継ぎ書に書き込まず、場所を書く
引き継ぎ書が何十ページにもなる原因は、手順を全部書き込むことです。厚い引き継ぎ書は、書くのにも読むのにも時間がかかります。

手順は手順書やマニュアルに出して、引き継ぎ書には場所だけを書きます。こうすると、引き継ぎ書は薄くなります。担当がまた替わっても、手順書はそのまま残ります。
困るのは、手順書がまだない業務です。なかでも画面の操作は、文章にするのに手間がかかります。画面を撮り、貼り、押す場所に印を付け、説明を書く。引き継ぎの期間にそこまでの時間は取れません。
画面の操作は、操作を記録してマニュアルにする
画面の操作の部分は、ReQuill で残せます。ReQuillはChromeに追加して使う無料の拡張機能です。記録を始める、いつも通りに操作する、記録を止める。これでマニュアルができます。
先ほどの記入例の「職員別の稼働率をCSVで出す」操作を、経営ダッシュボードのサンプル画面で記録しました。できたマニュアルから4枚を載せます。画像には手を加えていません。




各ステップに、スクリーンショット、押した場所の拡大と印、説明文、画面全体のどこなのかを示す小さな図が入ります。表紙の題名と概要はAIが下書きします。
できたマニュアルはURLで共有できます。受け取った人は登録なしで読めます。引き継ぎ書の「手順の場所」の列には、このURLを貼ります。PDFにもできるので、紙で渡す職場でも使えます。
引き継ぎで使うときに、人が足す所
自動でできるのは「どこを押すか」までです。引き継ぎでは、そこに判断を足します。足すのは編集の画面です。下の画像は、申込フォームの操作を記録した別のマニュアルを開いた所です。

- 「先月」を選ぶ理由(「今月」のままだと数字が途中になる)は、「補足を追加」に書きます
- 画面に写った氏名や金額は、「隠す」で範囲を選んで塗りつぶします。架空のデータで操作できるなら、そのほうが確実です
- 間違えて押した操作もステップになります。「削除」で消します
- 記録できるのは、パソコンのChromeで開く画面だけです。デスクトップのアプリ、紙の作業、電話の受け方は記録できません。そこは手順書か、引き継ぎ書の「業務の詳細」に書きます
操作マニュアルを一から作る場合の項目や書き方は、操作マニュアルの作り方にまとめています。
WordとExcel、どちらで作るか

| Excel | Word | |
|---|---|---|
| 向いている引き継ぎ | 業務の数が多い。一覧、予定、連絡先が中心 | 案件の経緯や判断の背景を文章で残す |
| 強い所 | 並べ替え、絞り込み、行の追加が楽 | 長い文章が読みやすい。目次を付けられる。印刷がきれい |
| 弱い所 | 長い文章は読みにくい。印刷で切れやすい | 一覧の並べ替えができない。列の多い表は窮屈 |
| 向いている職種の例 | 事務、経理、店舗 | 管理職、営業、プロジェクト |
迷ったらExcelで「業務の一覧」から書き始めます。一覧を先に作ると、抜けている業務に気づけます。文章で残したい案件が出てきたら、そこだけWordにします。
Excelで作るときに使う機能
配布しているExcel版には、次の3つを設定してあります。自分で列を足すときも同じ機能が使えます。
- リストから選ぶ:頻度や優先度を、決まった言葉から選べるようにします。「高」「High」「◎」のような書き方のばらつきがなくなります(ドロップダウン リストを作成する)
- 見出しの行を固定する:下へスクロールしても、列の名前が見えたままになります(ウィンドウ枠を固定して行と列をロックする)
- 絞り込む:優先度が「高」の業務だけ、状態が「まだ」の業務だけを表示できます(範囲またはテーブルのデータをフィルター処理する)
Excelで作るときに気をつける所
- ファイルが増える:「引き継ぎ書_最新」「引き継ぎ書_修正2」のように版が分かれます。置き場所を1つにして、前任者と後任者が同じファイルを開きます
- 直すのに手間がかかる:セルに長い文章を入れると、あとから直しにくくなります。3行を超える内容は「業務の詳細」のシートか、別の手順書に出します
- 画像や動画を入れにくい:画面のスクリーンショットを何枚も貼ると、ファイルが重くなり、行の高さもずれます。画面の操作は別のマニュアルにして、URLをセルに貼ります
- 印刷で切れる:配布のファイルは横1ページ幅に収まる設定です。列を足したら、印刷のプレビューで確かめます
Wordで作るときに使う機能
Word版は、欄の題名に見出しのスタイルを付けてあります。見出しのスタイルを使うと、目次を自動で作れます(目次を挿入する)。「業務の詳細」のページを業務の数だけコピーして増やしたあとで目次を入れると、後任者は読みたい業務のページをすぐ開けます。
WordやExcelがない職場では
WordとExcelのファイルは、GoogleドライブにアップロードするとGoogleドキュメントやスプレッドシートで開いて編集できます(Office ファイルの使用)。前任者と後任者が同じファイルを同時に開いて直したいときにも向いています。開いたあと、列の幅と改ページは整えてください。
社内の情報共有のツールやノートのアプリに、同じ9つの欄をページとして作る方法もあります。道具が何であっても、欄は変えません。マニュアル全般の型をWord・Excel・PowerPointで探しているなら、マニュアル作成のテンプレートにまとめています。
わかりやすい引き継ぎ書にする書き方
型が埋まっても、後任者が読めなければ使われません。書き方の決まりを8つ挙げます。
1. 後任者の経験に合わせる
同じ部署の経験者に渡すのか、他部署から来た人に渡すのか、新人に渡すのかで、書く深さを変えます。社内でしか通じない略語、システムの呼び名は、最初に出た所で説明します。「締め(その月の入力を確定して、変更できなくすること)」のように、かっこで足せば足ります。後任者がまだ決まっていないときは、その業務をやったことがない人に合わせます。
2. 言葉と書き方を揃える
同じものを「取引先」「顧客」「お客様」と書き分けると、後任者は別のものだと受け取ります。日付の書き方(3月5日、3/5)、頻度の言葉(毎月、月次)も1つに決めます。Excel版でリストから選ぶ形にしてあるのは、このためです。
3. 数字と固有の名前で書く
| 直す前 | 直したあと |
|---|---|
| 月初に請求書を出す | 毎月5営業日までに請求書を出す |
| 適宜、部長に確認する | 10万円以上の発注は、発注の前に総務部長へ確認する |
| いつものフォルダに保存 | 共有ドライブ > 経費 > 年月 に保存 |
| 先方に連絡済み | 3月12日に先方の担当の方へメールで連絡済み。返事はまだ |
| 早めに声をかける | 締め日の前日の午前に、打刻漏れの人へチャットで知らせる |
4. 目的を1文添える
「給与計算の元になる」「月初の会議で使う」。目的が分かると、後任者は手順にない場面で自分で判断できます。業務の一覧に「何のための業務か」の列があるのは、このためです。
5. 優先度を付ける
引き継いだ直後の後任者は、全部を同じ重さで受け取ります。遅れてはいけない業務と、遅れても取り返せる業務を分けて伝えます。
6. 図や表にする
部署をまたぐ流れは、文章より図のほうが伝わります。「申請 → 上長の承認 → 総務の確認 → 経理の支払い」のように、箱と矢印で1枚にします。
7. 事実と意見を分ける
「取引先Aは支払いが遅い」は意見です。「取引先Aの入金は、過去6回のうち2回、期日を過ぎた」が事実です。前任者の印象だけを渡すと、後任者は先入観を持って相手に会うことになります。
8. 後任者に、読みながらやってもらう
書き終えたら、後任者に引き継ぎ書だけを見て業務をやってもらいます。前任者は横で見ます。手が止まった所が、書き足す所です。一覧の「状態」の列を「説明した」「一緒にやった」「1人でできた」と進めていくのは、この確かめのためです。
業務そのものの流れを資料に残したいときは、業務マニュアルの作り方も参考になります。
後任者と上司がテンプレートを使う場面
引き継ぎ書は、前任者が書いて終わりではありません。
後任者は、説明を受けながら自分で書き足します。聞いて分かったこと、やってみて迷った所を、同じファイルに書き込みます。引き継ぎが終わるころには、自分の言葉が入った資料になっています。質問は、気づいたときに口で聞くより、一覧の番号を付けてまとめて聞くほうが、前任者の時間を取りません。
上司は、一覧を見て抜けを探します。前任者が業務だと思っていない仕事は、上司や同僚のほうが気づけます。「あの件は誰がやるのか」と聞くだけで、行が1つ増えます。状態の列を絞り込めば、最終日までに終わりそうかどうかも分かります。
受け取る側が先に動く使い方もあります。前任者が忙しくて書けないとき、後任者が空のテンプレートを持って聞き取り、埋めていきます。型があると、何を聞けばよいのかが分かります。
引き継ぎ書を作る流れ
作る手順は、6つに分けられます。
- 業務を全部書き出す(業務の一覧)
- 引き継ぎの日程を決める
- 一覧に、頻度・締め切り・優先度・手順の場所を入れる
- 手順書がない業務、判断が要る業務の詳細を書く
- 上司と同僚に見てもらい、抜けを足す
- 後任者に説明し、一緒にやり、1人でやってもらう
それぞれの進め方と、残りの日数ごとの日程の組み方は、引き継ぎ資料の作り方の記事で説明しています。
時間が足りないときに先に書く3つの欄

9つを全部埋める時間がないときは、「業務の一覧」「進行中の案件」「資料とアカウント」を先に書きます。この3つは、前任者がいなくなると誰にも分からなくなる情報です。
その次に書くのは、手順ではなく判断の基準です。手順は、画面や過去のファイルを見れば後任者がたどれます。なぜそうしているのか、どこまで自分で決めてよいのかは、たどれません。
引き継ぎ書づくりにAIを使うとき
文章を作るAIは、引き継ぎ書づくりで使える場面があります。
- 下書き:箇条書きのメモを渡して、表の形に整えてもらう
- 聞き取りの整理:口頭で説明した内容の書き起こしを、欄ごとに分けてもらう
- 点検:言葉のばらつき、誤字、書き方が揃っていない所を見つけてもらう
- 抜けの洗い出し:職種を伝えて、一覧に入っていなさそうな業務を挙げてもらう
AIが書けないのは、あなたの職場の「いま」です。進行中の案件、相手との約束、過去のトラブルは、前任者が書きます。AIが整えた文章は、数字と名前が合っているかを前任者が確かめます。
取引先の名前、個人の情報、社外に出せない数字を、会社が認めていないAIのサービスに入力しません。使ってよいサービスと入力してよい情報は、会社の決まりを先に確かめます。
説明している様子を録画して残す方法もあります。動きは伝わりますが、あとで知りたい1か所を探すのに再生し直すことになります。録画は補助にして、一覧と判断の基準は文字で残します。
よくある質問
引き継ぎ資料に何を書くべきですか
9つです。基本情報、業務の一覧、業務の詳細、年間と月間の予定、進行中の案件、関係者と連絡先、資料とアカウント、困ったとき、完了の確認。時間がなければ、業務の一覧、進行中の案件、資料とアカウントの3つを先に書きます。
引き継ぎ書はどのように作成すればわかりやすいですか
業務の一覧から書き、手順は手順書の場所を書いて、引き継ぎ書そのものを薄くします。そのうえで、数字と固有の名前で書く、目的を1文添える、優先度を付ける、の3つを守ります。最後に、後任者に引き継ぎ書だけを見て業務をやってもらい、手が止まった所を書き足します。
引き継ぎ書はWordとExcelのどちらで作るのがよいですか
業務の数が多く、一覧や予定が中心ならExcelです。案件の経緯や判断の背景を文章で残すならWordです。迷ったらExcelで業務の一覧から書き始め、文章で残したい所だけWordにします。
引き継ぎ書は何ページくらいが目安ですか
ページ数の決まりはありません。目安にするのは量ではなく、後任者が引き継ぎ書だけを見て業務を回せるかどうかです。手順を別の手順書に出していれば、本体は一覧と数ページの詳細で収まります。
引き継ぎ書にIDとパスワードを書いてもよいですか
書きません。引き継ぎ書は共有され、印刷されるからです。書くのは、権限を誰に頼めば付けてもらえるかです。共有のIDを使うシステムは、会社の決めた方法でパスワードを受け渡し、引き継ぎ書には受け取る相手だけを書きます。
手順書やマニュアルがない業務はどうすればよいですか
引き継ぎ書の「業務の詳細」に、手順と判断の基準を書きます。画面の操作は、操作を記録してマニュアルにする道具を使うと、撮る・貼る・印を付ける・書くの手間が要りません。紙や口頭の作業は、後任者と一緒にやる日に、後任者にメモを取ってもらい、それを手順書の下書きにします。
引き継ぎ書は手書きでもよいですか
内容が伝われば形は問いません。ただ、手書きは直しにくく、次の交代で使い回せません。業務の一覧だけでもファイルにしておくと、次の担当が下書きとして使えます。
後任者が決まっていないときは、どう書けばよいですか
その業務をやったことがない人が読む前提で書きます。略語に説明を付け、資料の場所はフォルダの名前を上からたどって書きます。受け取るのは上司になるので、「完了の確認」は上司と2人で見ます。進行中の案件は、後任者が決まるまで誰が持つのかを、上司に決めてもらいます。
引き継ぎが終わったあと、引き継ぎ書はどうしますか
捨てません。後任者が自分の気づきを書き足しながら使い続けます。次に担当が替わるとき、そのファイルが下書きになります。置き場所は、個人のフォルダではなく部署の共有フォルダにします。